生産量の約8割がレギュラー酒! ハイレベルな「普通」を造り続ける南魚沼市・八海醸造の思いとは…

希少性の高い酒、ハイクラスの日本酒は話題になりやすいもの。
一方で普通酒は安く手に入りやすく、味はそこそこというイメージを持っているかもしれません。
しかし、「普段から飲める日本酒にこそ価値がある」と考え、普通酒や本醸造といったレギュラー酒に全力を注ぐ蔵があります。

豪雪地帯の南魚沼市に蔵を構える八海醸造

新潟県南魚沼市にある八海醸造は、大正11年(1922年)の創業から、わずか3代で急成長を遂げた酒蔵です。全国でも高い知名度を誇る八海山の名を広めたのは、普通酒と本醸造の存在があったからこそ。

日本酒にはアルコール添加の量や精米歩合によって規格が定められています。例えば、精米歩合55%が原料米の酒は吟醸酒と表示できますが、こちらでは特別本醸造と定めています。同じく普通酒の「清酒 八海山」も精米歩合60%と高い品質です。

「第二浩和蔵」の製造責任者の棚村さん

「値段が高くてうまいのは当たり前。日常で飲めるものがハイレベルであるべき」と話すのは、製造部 次長の棚村靖さん。
生産量の約8割を占めているという「特別本醸造 八海山」と「清酒 八海山」は、吟醸クラスと変わらない酒造りを行っています。
特に大切にしているのが、麹づくり。昔から酒造りは「一に麹、二に酛(酒母)、三に造り(もろみ)」といわれるほど、麹は重要です。

日本酒の香りや味わいに大きな影響を与える麹。酒蔵の心臓ともいえる麹室での作業は長年の経験と手技が必要となります。
どれだけ規模が大きくなって機械化が進んでも、麹づくりの基本は蔵人の手作業。「フワッと軽やかな麹を目指しています。そういう麹で造る酒は、軽やかな旨味が生まれます。味はしっかりしていて、上品な甘みもあるんです」
いい酒のためには手間を惜しまず、妥協も一切しないのが、八海醸造の身上。

そのこだわりは、もろみにも。吟醸の造りと同じように長期低温発酵を採用。低温をキープし、ゆっくり発酵させることで、雑味のない澄んだ味わいに仕上げています。
「現代の酒造りにおいて大事なのは、最新技術や機械を駆使して、自分たちの求める味わいを表現することです」と語る棚村さん。
機械導入によって生産効率をアップし、さらに分析できることは数値化。伝統の技術と長年の経験が物をいう日本酒造りにおいて、さらに精度を上げていくことで、八海山の味わいを守り続けています。

棚村さんのおすすめは燗酒

晩酌酒の定番「八海山 特別本醸造」(1,242円・720ml)。棚村さんのおすすめの飲み方は燗酒。約40℃のぬる燗が一番おいしいそうです
ハイクラスのレギュラー酒。その実力は飲んで確かめてみて。

 

八海醸造
[住所]南魚沼市長森1051
[電話番号]0800-800-3865
[営業時間]平日9時~17時
[定休日]土・日曜・祝日、年末年始
[HP]http://www.hakkaisan.co.jp/